最近、ヘッジファンドってよく聞くけど何なの?
ヘッジファンドに興味があって、わかりやすくまとめられているサイトを探している。
ヘッジファンドとは何かを簡単に説明してほしい!
そんな思いから、こちらの記事に辿り着いたのではないでしょうか?
ニュースや新聞でもヘッジファンドを取り上げることもあるので、ヘッジファンドという言葉自体は聞いたことがあるという人も多いと思います。
ただ、ヘッジファンドって具体的にどういうものなのか、実際に個人投資家が投資できるものなのかはほとんど知られていません。
その理由はほとんどのヘッジファンドが不特定多数に募集しない「私募」で、ファンドの情報を非公開にしているからです。
本記事では投資初心者にもわかりやすいように、ヘッジファンドとは何かを簡単に解説します!

もくじ
ヘッジファンドとは、わかりやすくいうと何?
ヘッジファンドとは、あらゆる投資手法を試みてどんな市場環境であっても利益を出すことを目的とした絶対収益追求型のファンドです。
「絶対」とは必ず利益が出るということではなく、比較対象がない状態(絶対)で収益獲得を目指すという意味合いです。
一方で相対収益型ファンドである一般の投資信託は、ファンドの投資対象に合った指標(株価指数など)を上回ることを目標としています。
ヘッジファンドの「ヘッジ」とは直訳すると「避ける」という意味で、リスクを抑えながら高リターンを目指しています。
集めた資金で運用する投資ファンドという点は投資信託と同じですが、ファンドとしての性質は大きく異なります。
ヘッジファンドと一般の投資信託の違いを簡単に整理すると次の表のようになります。
比較項目 | ヘッジファンド | 投資信託 |
---|---|---|
投資方針 | 市場に関係なく利益を追求 | 市場と連動した利益となる |
最低投資額 | 1,000万円~1億円 |
1円 |
募集方法 | 私募 | 公募 |
顧客層 | 富裕層・機関投資家 |
一般の個人投資家 |
手数料 | 成功報酬 | 信託報酬 |
例えば、株に投資している投資信託であれば、一般的には市場が上がれば利益が出て市場が下がれば損をします。
ヘッジファンドであれば、積極的にショートポジションやレバレッジを活用して下落相場でも利益を追求していきます。
また、ヘッジファンドの手数料は成功報酬であることが多く、ファンドの成績が利益に直結するので運用のモチベーションが高いと言われています。
投資信託は広く一般に公募されていますが、多くのヘッジファンドは一部の富裕層や金融機関などの機関投資家を対象とした私募です。
ただし、近年は一般の個人投資家が投資できるヘッジファンドも増えてきました。
公募の投資信託は目論見書や有価証券報告書などを発行する義務がありますが、ヘッジファンドは私募のため必要ありません。
その分、厳しい規制を受けず柔軟な運用戦略を立てることができるので、ミドルリスクでハイリターンを目指せるという面があります。
ヘッジファンドのメリット・デメリット
当然のことながら、ヘッジファンドにもメリットとデメリットが存在します。
ここでは他の投資にも当てはまるような一般的な話ではなく、ヘッジファンド特有のメリット・デメリットを解説します!
ヘッジファンドのメリット
- 期待されるリターンが非常に高い
- 市場に関係なく利益を追求できる
- リターンとリスクのバランスが良い
- 投資後に手間がかからない
- 多くは手数料が成功報酬
期待されるリターンが非常に高い
一般的にヘッジファンドの目標リターンは年間15%以上と期待されるリターンが非常に高いです。
これは一般的な投資信託であるインデックスファンドやアクティブファンドを大きく上回る期待値となります。
また、優秀なヘッジファンドであれば年間40%~60%というハイパフォーマンスを何年も継続しています。
市場に関係なく利益を追求できる
ヘッジファンドはどんな市場環境でも目標リターンを達成しなければ評価されません。
相対収益型の投資信託のように、下落市場だったからリターンが低くても仕方ないといった言い訳はできないのです。
ヘッジファンドは株式や債券だけでなく、先物取引や信用取引など、あらゆる投資手法を組み合わせて利益を追求します。
たとえ市場が下落相場でもこの目標を下回れば低評価となりますので、どんな市場環境でもその目標を達成することを目指して運用しています。
実際にコロナショックのような相場の下落局面でも、優秀なヘッジファンドは様々な手法を駆使して、市場の下落を逆手にとって収益を上げています。
リターンとリスクのバランスが良い
いくらリターンが高くてもリスクが高すぎると、大切な資産を失ってしまうことになりかねませんよね。
上図は私の経験から、一般的な資産運用先のリスクリターンをイメージ化したものですが、ヘッジファンドはとてもバランスが良いですね。
実はヘッジファンドは大量の資金を運用して様々な投資手法を駆使するので、個人投資よりも圧倒的にリスクヘッジできているのです。
ヘッジファンドは行政の監視がある通常の投資信託の運用ルールに囚われず柔軟に運用ができるからこそ、リスクの軽減が可能な金融商品であると言えます。
ある調査では1993年から2010年までの間、ヘッジファンドのボラティリティはS&P500より3分の1ほど低いという結果も出ています。
投資後に手間がかからない
ヘッジファンドは資産運用のプロに運用を任せることができます。
ヘッジファンドに投資後は自分で運用する必要がないので、後はヘッジファンドを運用するファンドマネージャーが自分の資産を増やしてくれます。
後ほど詳しく記載しますが、ヘッジファンドのファンドマネージャーは一般の投資信託のファンドマネージャーよりも能力が高いです。
自分に知識や時間が無くても、ハイスペックなファンドマネージャーを頼ればいいのです。
多くは手数料が成功報酬
ほとんどのヘッジファンドは手数料に成功報酬を採用しています。
つまり、運用で失敗するとヘッジファンドも利益がないので彼らは必死に運用します。
投資家とヘッジファンドはWin-Winの関係なんですね。
成功報酬がどれくらいかと言うと、一般的なのは運用利益の20%をヘッジファンドの手数料として差し引かれるといった契約です。
え、そんなに手数料高いの!?と思いましたか?
では、リターン3%で信託報酬0.5%の投資信託とリターン15%で成功報酬20%のヘッジファンドでは、投資家目線ではどちらが良いですか?
信託報酬は「運用資産」に対して0.5%引かれるので、投資信託の利益は2.5%です。
成功報酬は「運用利益」に対して20%引かれるので、ヘッジファンドの利益は12%です。
最終的に投資家の手元に残る資産はヘッジファンドの方が多くなります。
ヘッジファンドのデメリット
- 最低投資額が高い
- 流動性が低い
- 情報が少ない
最低投資額が高い
海外ヘッジファンドの最低投資額は数千万円~数億円と非常に投資ハードルが高いです。
これは元々ヘッジファンドが金融機関などの機関投資家や一部の富裕層を対象にした資産運用先だからです。
ただし、近年は一般の個人投資家への投資の裾野を広げる動きも活発で、最低投資額が引き下がっています。
流動性が低い
一般的にヘッジファンドは出金や解約に制限を設けています。
解約可能なタイミングは予め決められており、月に1回や四半期に1回のみなどのケースが多く、投資家は解約日のかなり前までに申請する必要があります。
投資家が資金の返却を受けるまでの期間が長くなり、その間に収益が悪化してしまうリスクはあります。
これは投資家にとっては嫌な制限ですが、ヘッジファンド側にも明確な理由があります。
ヘッジファンドは少数の投資家相手にまとまった資産を集めて、戦略的な運用を行います。
仮に経済ニュースなどに心を動かされた投資家からの解約が殺到してはファンドの運用資産は安定せず、大きな投資成果が見込めません。
資金の急激な流出を防ぐことで、既存投資家の利益を守っているという側面があります。
情報が少ない
有価証券報告書で内容が開示される投資信託と違って、ヘッジファンドは中身が公開されません。
原則、ヘッジファンドは非公開企業であり開示の義務が少ないため、透明性に欠けるとみなされることがあります。
投資対象やその投資割合は開示されることはほとんど無いので、既存投資家にもわからないのです。
ヘッジファンドによっては一部の投資対象を公開していることもありますが、投資信託と比べて判断材料は少ないでしょう。
そのため、リスクの高い運用をしているヘッジファンドに気づかず投資してしまう可能性は十分にあります。
ヘッジファンド選びは非常に重要ですので、投資の知識に自信がない場合は投資に詳しい人に相談してみましょう!
また、ヘッジファンドは私募ファンドの特性上、HPで投資を募ったり金融機関が販売できません。
既に投資している人に紹介してもらうなどの方法が一般的ですが、ファンドによって対応はまちまちです。
ヘッジファンドの歴史
ヘッジファンドの誕生には諸説あります。
一説には1949年にアメリカの社会学者であったアルフレッド・ウィンスロー・ジョーンズ氏により考案されたと言われています。
ジョーンズ氏が立ち上げたファンドは、現在のヘッジファンドと共通する以下の特徴がありました。
- ロングとショート組み合わせてリスク回避して収益獲得を目指す
- 運用利益の一定割合を手数料とする成功報酬体系
- ファンドマネージャーの自己資金を投資して投資家とリスク共有
この時代の投資信託では、割安な株式を購入し価格上昇後に売却するロングポジションが一般的でした。
そのような時代にジョーンズ氏は割高な株式を売却するショートポジションを組み合わせる「株式ロングショート」のファンドを設立したのです。
ジョーンズ氏のファンドは好調で、設立から10年後には大半の投資信託のパフォーマンスを上回りました。
そして、1966年にアメリカのFORTUNE誌がファンドの成果を取り上げたことで、一気に注目を集めることになったのです。
その際にジョーンズ氏の手法は「ヘッジファンド」として紹介されて、世の中に広まりました。
ヘッジファンドのハイパフォーマンスは富裕層の人気を呼び、年々業界規模が大きくなっています。
現在ではヘッジファンド業界の資産運用残高(AUM)は3兆ドルを超えています。
ヘッジファンドの代表的な投資戦略
一口にヘッジファンドと言っても、ファンドによってその投資戦略は多岐にわたります。
ここからは代表的な投資戦略について軽く触れていきますが、詳しい手法に興味があればこちらの記事を見てください。
株式ヘッジ
株式ヘッジは、その名のとおり株式市場に焦点を当てた戦略です。
例えば「株式ロングショート戦略」は株式のロングとショートを組み合わせて収益の獲得を狙う投資戦略です。
イベントドリブン
イベントドリブンは、企業の連結、買収、資本再編、倒産、清算など会社再編に関連するイベントに焦点を当てる戦略です。
投資対象はその企業が発行する株式、債券やそれに関連するデリバティブとなります。
イベントドリブンには「物言う株主」と呼ばれるアクティビスト戦略が含まれています。
アクティビストファンドは特定の企業の大株主となり、企業に提言して企業価値向上によるキャピタルゲインの獲得を目指すファンドです。
日本では村上ファンドが世間を騒がせたことがありましたね。
マクロ
マクロは、幅広い資産を対象にトップダウン型のアプローチから収益を狙う戦略です。
例えばグローバルマクロ戦略は、マクロ経済の予測に基づいて、世界各国の通貨・株式・債券等のあらゆる市場の“方向性”に投資をします。
個別銘柄の割高・割安を重視する株式ヘッジ戦略とは異なって、市場そのものの方向性に賭けたポジションをとるのが特徴です。
そのため、穏やかな市場ではリターンが伸び悩みますが、市場のトレンドが大きく出る局面ではハイパフォーマンスとなります。
レラティブバリュー
レラティブバリューは、2つ以上の市場・証券間における価格の歪みに焦点を当てる戦略です。
例えば「債券アービトラージ戦略」などがあり、アービトラージ戦略は「裁定取引」とも呼ばれています。
簡単に言うと、割安なものを買うと同時に割高なものを売って、それぞれの価格が正常に評価されたときに清算すれば差分が利益になるということです。
ヘッジファンドの数ある投資戦略の中でもリスクが小さい戦略と言われていますが、その分リターンも低くなります。
マルチストラテジー
マルチストラテジーは、複数のヘッジファンド戦略を一つのファンドの下で組み合わせた戦略です。
異なる戦略の運用を専門とするマネージャーがチームを組み、同じファンドの中で運用・リスク管理体制を共有します。
複数の戦略に投資を行うことから、分散によるリスク低減を図りつつ、局面に応じて戦略配分を迅速かつ効率的に変更することが可能となります。
複数のヘッジファンドに投資するファンド・オブ・ファンズの投資信託と戦略の分散という意味では同じです。
ただし、ファンド・オブ・ファンズのように二重報酬が発生することはないので、相対的なコストメリットが高いです。
投資するならどこ?日本国内でおすすめのヘッジファンドは?
第2位ベイビュー・ アセット・マネジメント
ヘッジファンドは私募なので、実績や戦略などが開示されていません。
ヘッジファンドで資産運用したいと考えても、具体的にどのファンドに投資すればいいのかわからないですよね。
そこで、私が実際に投資したり問い合わせたりして得た情報をもとに、個人向けヘッジファンドを比較してランキング付けしました!
エアーズシー証券

- 運用会社名:WMQS グローバル・マネジメント LLC
- 投資戦略:世界株式のロングショート戦略
- 運用開始:2009年
- 許認可:第一種・第二種金融商品取引業
- 市場下落時でも大きなマイナスを出していない
- 世界トップレベルのヘッジファンド出身者が運用
- 証券会社手数料が別で必要
- 最低投資額10万米ドルと高い
エアーズシー証券では日本からも投資可能な海外ヘッジファンドを複数紹介しています。
エアーズシー証券が紹介しているファンドの中でも特におすすめな「ワールドクオント・ミレニアムファンド」の概要を解説します。
ワールドクオント・ミレニアムファンドのリターンは-6.81%~+36.18%と比較的優秀なヘッジファンドです。
ワールドクオント・ミレニアムファンドの過去の運用実績はこちらです。
利回り | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | Total |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2009年 | -6.42% | -8.69% | +7.16% | +11.00% | +11.60% | -0.82% | +9.36% | +2.46% | +4.38% | -2.11% | +3.93% | +1.71% | +36.18% |
2010年 | -4.01% | +1.88% | +4.64% | -0.40% | -9.69% | -3.28% | +7.16% | -4.38% | +9.92% | +4.62% | -2.45% | +7.40% | +9.90% |
2011年 | +2.72% | +2.76% | +0.19% | +4.72% | -1.91% | -0.02% | -3.76% | -8.63% | -9.46% | +12.70% | -1.05% | +0.61% | -3.54% |
2012年 | +6.07% | +3.68% | +1.63% | -1.40% | -8.61% | +6.63% | +2.48% | +3.26% | +3.04% | -2.25% | +3.78% | +2.29% | +21.52% |
2013年 | +6.68% | +1.25% | +2.19% | +2.16% | +1.02% | -2.66% | +6.25% | -2.45% | +5.55% | +3.14% | +2.54% | +4.44% | +34.00% |
2014年 | -1.57% | +5.06% | +0.87% | +2.93% | +2.42% | +1.86% | -1.16% | +3.10% | -1.62% | +1.44% | +3.01% | -0.18% | +17.12% |
2015年 | -0.91% | +5.80% | -1.15% | +3.50% | +0.07% | -1.80% | +3.21% | -5.93% | -1.44% | +7.09% | +0.81% | -1.23% | +7.57% |
2016年 | -6.44% | -2.04% | +9.14% | +4.73% | +2.19% | -2.48% | +5.16% | -1.33% | +2.42% | -1.43% | +2.88% | +2.05% | +14.80% |
2017年 | +1.56% | +3.77% | +2.62% | +1.30% | +0.57% | +0.03% | +4.02% | +2.20% | +3.04% | +1.94% | +3.79% | +0.88% | +28.86% |
2018年 | +7.74% | -4.46% | +0.64% | +0.15% | +2.16% | -1.29% | +3.35% | +1.60% | +0.11% | -9.78% | +0.41% | -6.46% | -6.81% |
2019年 | +9.25% | +1.87% | -0.18% | +4.81% | -6.24% | +5.67% | -1.00% | -3.58% | +2.73% | +2.75% | +2.56% | +1.90% | +21.47% |
2020年 | -1.32% | -7.87% | -12.36% | +12.44% | +4.26% | +2.84% | +4.06% | +6.55% | -3.28% | -4.07% | +10.42% | +4.38% | +13.90% |
投資戦略が世界株式のロングショート戦略なので世界株式との相関が高く、市場下落局面ではマイナス運用となっています。
市場の影響を完全に回避できているわけではありませんが、比較的安定した運用ができていると言えます。
ワールドクオント・ミレニアムファンドの運営会社はミレニアム・マネジメントが設立したベンチャー企業です。
ミレニアム・マネジメントは世界トップレベルのヘッジファンドなので、ワールドクオント・ミレニアムファンドの運用メンバーも優秀な可能性が高いです。
ただし、エアーズシー証券を通した取引となるので、ファンドへの手数料以外に証券会社手数料が発生することは注意が必要です。
また、ヘッジファンドの中では低めとはいえ、最低投資額が10万米ドルなので人によってはハードルが高く感じるかもしれませんね。
エアーズシー証券で取り扱っている他のファンドなど詳細はこちらの記事にまとめていますので、ご興味ありましたらご覧ください。
ベイビュー・ アセット・マネジメント

- 運用会社名:ベイビュー・ アセット・マネジメント
- 投資手法:日本の中小型株式を対象としたロングショート戦略
- 運用開始:2014年
- 許認可:第二種金融商品取引業
- 市場下落時でも大幅なマイナス運用を回避
- 利回りから手数料控除が必要
- 最低投資額1,000万円と高い
ベイビュー・ アセット・マネジメントのリターンは-7.96%~+19.95%と比較的良いヘッジファンドです。
ベイビュー・ アセット・マネジメントの過去の運用実績はこちらです。
利回り | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | Total |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014年度 | – | – | – | +1.23% | +2.42% | +0.49% | -0.13% | +0.99% | +3.85% | -2.10% | +0.60% | +1.14% | +8.71% |
2015年度 | +2.54% | +3.22% | +1.75% | +1.03% | -1.05% | -1.49% | +1.38% | +2.26% | +1.88% | -2.18% | +2.53% | +5.22% | +18.23% |
2016年度 | -2.07% | +4.80% | -1.19% | +0.94% | -0.12% | +3.86% | +3.16% | +1.35% | +1.14% | +3.41% | +1.58% | +1.34% | +19.51% |
2017年度 | -0.26% | +4.42% | +1.27% | +2.20% | +2.77% | +4.03% | +2.56% | +0.92% | +2.42% | +4.67% | -2.06% | -4.20% | +19.95% |
2018年度 | -0.71% | +0.04% | -1.86% | +0.08% | +0.72% | -0.24% | -4.11% | -2.07% | -1.42% | +1.27% | +1.16% | +2.32% | -4.89% |
2019年度 | +2.16% | -1.33% | -1.21% | -0.43% | -2.08% | -0.64% | +3.54% | +1.82% | +2.65% | -2.26% | -8.16% | -1.79% | -7.96% |
2020年度 | +6.66% | +9.61% | +5.79% | +1.96% | -0.62% | +6.26% | -1.54% | +4.37% | – | – | – | – | – |
2015~2017年の3年間は毎年+20%程度と堅調に推移していただけに、近年のマイナス運用は残念ですね。
日本の中小型株式を対象としているので、市場下落時は一定のマイナス運用を避けられないようです。
加えて、開示される利回り(上表)から成功報酬と信託報酬が差し引かれるので、実際の利回りはもう少し下がります。
最終的な利益がどれくらいなのかわかりづらいのはマイナスポイントですね。
最低投資額は1,000万円とヘッジファンドの中では低い方となっていますが、一般の個人投資家目線では高く感じます。
詳細はこちらの記事にまとめていますので、ご興味ありましたらご覧ください。
ファンドマネージャーの報酬
ほとんどのヘッジファンドには高額の成功報酬が設定されていることは説明してきましたね。
これはヘッジファンドの創始者アルフレッド・ウィンスロー・ジョーンズ氏の時代から採用されている手数料制度です。
投資家が高額な成功報酬制度を受け入れているのには理由があります。
実は、この成功報酬からヘッジファンドの要であるファンドマネージャーの報酬が支払われているのです。
ヘッジファンドが役員報酬などを公開することはまれなので、ファンドマネージャーの報酬はファンドの利益からの概算で推測されます。
Forbes誌によると、2018年のファンドマネージャー報酬ランキングは以下の通りです。
順位 | ファンドマネージャー | 報酬額 | ファンド名 |
---|---|---|---|
第1位 | マイケル・プラット | 20億ドル | ブルークレスト・キャピタル・マネジメント |
第2位 | ジェームス・シモンズ | 18億ドル | ルネッサンス・テクノロジーズ |
第3位 | デビッド・テッパー | 15億ドル | アパルーザ・マネジメント |
第4位 | ケネス・グリフィン | 14億ドル | シタデル |
第5位 | レイ・ダリオ | 9億ドル | ブリッジウォーター・アソシエイツ |
驚きの報酬額ですよね…。
もちろん、これほど高額な報酬を得られるのは一握りですが、これが優秀な人材がヘッジファンドに集まる所以です。
また、信託報酬や管理報酬で儲けるタイプの投資信託などは運用成績よりも運用規模の拡大に注力します。
パフォーマンスが報酬に直結するヘッジファンドだからこそ、リターンを追求した運用ができているのです。
アメリカではヘッジファンドの法人格はLLC(≒合同会社)が主流!
ヘッジファンドの法人格(企業の形態)は様々ですが、発祥の地であるアメリカでは「LLC(Limited Liability Company)」が主流です!
投資家はLLCの有限責任社員(株主)となり、管理や投資戦略に関する義務はなく投資分までの有限の責任を負うことになります。
日本では2006年に、このLLCをモデルとした「合同会社」という法人格が導入されました。
国内で古くからあるヘッジファンドは株式会社が多いですが、近年では合同会社も増加してきました。
ただし、合同会社は設立が容易なので、ヘッジファンドを装った詐欺会社も存在するのが現実です。
そのファンドが社会的信用力のある許認可を取得しているかなど、周辺情報を確認してから投資を検討しましょう!
日本国内でヘッジファンドが有名でない理由
日本国内でヘッジファンドが有名でない理由はいくつかありますが、その中でも一番の理由は日本の金融教育の遅れです。
アメリカでは州ごとにスタンスの差はありますが、ほとんどの州で高校までの教育課程に金融が組み込まれています。
子どもに金融教育を受けさせるのは当然という風潮があり、投資でお金を増やすことに抵抗がありません。
子どもが遊べるゲームで金融を学ぶなどの無料教材の普及も、金融知識向上に大きな役割を果たしていると言われています。
それと比較して日本では、余剰資金は定期預金しておくという考えがまだまだ根強く残っていますよね。
投資に興味を持ったとしても、銀行や証券会社で投資信託を買うというのが第一選択肢に来る人は多いはずです。
実際には投資信託よりもヘッジファンドの方が、圧倒的にリターンが高いにもかかわらず…。
繰り返しになりますが、ヘッジファンドは私募なので自分から情報を取りに行かなければ、投資はおろか内容を知ることすらできません。
ヘッジファンドのまとめ
- ヘッジファンドとは絶対収益追求型のファンド
- ヘッジファンドはリスクを抑えつつ高リターンを目指す
- ヘッジファンドは私募のため情報が少ない
- 日本の個人投資家でもヘッジファンドに投資可能
ヘッジファンドについて簡単にわかりやすくまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
ヘッジファンドとは、あらゆる投資手法を試みてどんな市場環境であっても利益を出すことを目的とした絶対収益追求型のファンドでしたね。
リスクをしっかりとヘッジしながら高リターンを狙うので、リスクリターンのバランスが非常に良い資産運用先となります。
これだけ評価の高いヘッジファンドですが、私募であるが故に情報はほとんど公開されていません。
ヘッジファンド発祥の地アメリカでは、富裕層や機関投資家だけでなく一般の個人投資家にも馴染みのある資産運用先です。
日本国内の個人投資家が投資できるヘッジファンドも存在するのですが、まだまだ知名度は低いようですね。
こちらのサイトではヘッジファンドや資産運用に関する情報を、引き続き発信していきます!