日本国内のヘッジファンドに興味があるけど、情報が少なすぎて投資先に迷ってしまう…。
ヘッジファンドってどんな基準で選べばいいの?日本国内に利回りが高くて信用度の高いヘッジファンドって存在するの?
海外への投資は不安なので日本国内で投資できる優秀なヘッジファンドを探している。
そんな思いから、こちらの記事に辿り着いたのではないでしょうか?
こちらの記事では私が銀行員時代に数多くの資産運用先を提案してきた経験をもとに、以下の内容で日本国内ヘッジファンドを徹底比較します!
- ヘッジファンドを選ぶときに押さえるべきポイント
- 2022年最新のおすすめ日本国内ヘッジファンドランキング
- 何に投資すればいいか迷ったら選ぶべきヘッジファンド
まずは、ヘッジファンドを選ぶときに押さえるべきポイントを解説します。
「そんなことはいいから、早くおすすめの日本国内ヘッジファンドを見たい!」という場合は以下のリンクをクリックいただくとすぐに確認できます。

もくじ
ヘッジファンドを選ぶときに押さえるべきポイントは5つ!
ほとんどのヘッジファンドは不特定多数への募集(公募)をしていないため、一般の投資家に公開される情報は非常に少ないです。
私は自身の投資ポートフォリオにヘッジファンドを検討するため、実際に日本国内のヘッジファンドに問い合わせて情報収集を行いました。
優秀なヘッジファンドの定義は難しいですが、この5点を押さえてヘッジファンドを選べば大きく外すことはないはずです!
- 過去の運用実績(利回りと運用歴)は良いか
- 社会的信用力のある組織で運営されているか
- 流動性(資金ロック期間)は問題ないか
- 投資ハードル(最低投資額)は高すぎないか
- 運用会社の将来性は明るいか
それではヘッジファンドを選ぶときに押さえておくべきポイントを解説します!
過去の運用実績(利回りと運用歴)
ヘッジファンドは一般的に年利15%以上を目標として利益を追求している高利回りな資産運用先です。
ただし、あくまでも目標であり実際の運用結果はファンドによって大きく異なるので、どの程度の利回りでどれくらいの運用歴なのかを必ず確認しましょう。
例えば、年利10%程度で資産運用したいと思っても、それに届かない運用実績のファンドへ投資してしまうと目標の達成は難しいです。
また、平均年利が自身の目標とする利回りに届いていたとしても、毎年の利回りの振れ幅が大きい場合(-10%を下回るなど)も注意が必要です。
ヘッジファンドのヘッジ(hedge)は直訳すると「避ける」という意味で、相場が下がったときの資産の目減りを避けるといったところから用いられています。
そのため、市場が下落しているからと言って大きくマイナス運用となっているようなファンドはヘッジファンド本来の運用ができていません。
社会的信用力のある組織
世の中には高利回りを謳って実際には運用していない「ポンジスキーム」などの投資詐欺で溢れています。
ヘッジファンドは投資内容を公開していないファンドも多く、一般の投資家がヘッジファンドを模倣した詐欺を見抜くことは難しいです。
そのため、社会的信用力のある組織が運用しているヘッジファンドに投資することをおすすめします。
社会的信用力とはヘッジファンドの場合は金融庁への届出や著名な弁護士を顧問としているかといったことから判断できます。
ヘッジファンドは私募ファンド(不特定多数への募集はしていない)であることが多く、スキームによっては金融庁への届出が不要です。
そんな中でも金融庁へ届け出を行って運営しているファンドも存在しています。
流動性(資金ロック期間)
ヘッジファンドは公募投資信託のように毎日投資や解約ができるわけではなく、一定期間の資金拘束(資金ロック)が発生します。
一般的な投資・解約タイミングは月に1回や四半期に1回で、長ければ年に1回というファンドもあります。
また、初回投資後〇ヶ月は解約不可であったり、解約手数料が発生するという条件が付いていることもあるので契約内容をしっかり確認しましょう。
ファンドの運用実績が悪化した場合や資金が必要になった場合に解約タイミングを逃す確率が高くなるので、流動性の高いファンドがおすすめです。
投資ハードル(最低投資額)
ヘッジファンドの最低投資額は1,000万円以上と非常に高額なところが多いです。
ただ、最近では個人投資家向けに最低投資額を100万円など低く設定しているファンドもあります。
とは言え、最低投資額が高いと投資したくても資金が足りなかったり、一気に投資するのが不安な場合に少額から始めるのが難しくなります。
初回投資時は良くても、一部解約がしたいとなった場合に最低投資額を下回っての解約はできないこともあります。
もともとヘッジファンドは富裕層や機関投資家向けのファンドなので、公募投資信託と比べるとかなり高額な最低投資額となっています。
将来性
運用会社の将来性は今後の運用実績に直結しますので、ファンドの投資手法の将来性と会社としての将来性の2点は意識しましょう。
ファンドの投資手法の将来性の例で言うと、日本国内の「バリュー株」投資の将来展望はあまり明るくありません。
過去には海外投資家があまり参入していないブルーオーシャンでしたが、ここ数年で大量に参入され割安な銘柄はほとんどありません。
実際にコロナ禍の相場ではグロース株投資は圧倒的に利益が出ましたが、バリュー株投資は苦しい状態が続いています。
また、ヘッジファンドは自社の資金や役員の資金も運用しているので、会社としての将来性も重要です。
グループ会社なども含めて事業が順調に拡大していれば、ファンドの運用にもプラスとなります。
【2022年最新】元銀行員がおすすめする日本国内ヘッジファンドランキング!
日本国内ヘッジファンドランキングの作成にあたり、採点対象としたの以下16社のヘッジファンドです。
- 暁翔キャピタル
- ハヤテインベストメント
- ベイビュー・ アセット・マネジメント
- アズカルアセットマネージメント
- エアーズシー証券
- フロンティアキャピタル
- エピック・パートナーズ・インベストメンツ
- 武士道アセットマネジメント
- Unearth International Limited
- ストラテジックキャピタル
- トータスパートナーズ
- ヘッジファンドダイレクト
- BMキャピタル
- Japan Act
- ミョウジョウ・アセット・マネジメント
- プルーガ・キャピタル
※順不同
上記の日本国内ヘッジファンドを「運用実績」「社会的信用力」「流動性」「投資ハードル」「将来性」の5指標で評価しました。
今回の評価では元銀行員目線で一般の個人投資家が資産運用することを前提に、5指標の総合評価でランキング付けを行っています。
それでは、日本国内おすすめヘッジファンドランキングを1位から順に見ていきましょう!
ベイビューアセットマネジメント
総合評価 | ![]() 4.2 |
---|---|
運用実績 | ![]() 年間利回り10%程度 |
社会的信用力 | ![]() 金商業 |
流動性 | ![]() 解約は半月に1回 |
投資ハードル | ![]() 最低投資額1,000万円 |
将来性 | ![]() 中小型株投資のため運用可能額に上限有り |
ベイビューアセットマネジメントの概要
- 企業名:ベイビュー・ アセット・マネジメント株式会社
- 運用開始:2014年
- 投資手法:日本の中小型株式を対象としたロング・ショート戦略
- 手数料:成功報酬20%、信託報酬2.0%
- 許認可:第二種金融商品取引業
ベイビューアセットマネジメントの利回り
利回り | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | Total |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014年度 | – | – | – | +1.23% | +2.42% | +0.49% | -0.13% | +0.99% | +3.85% | -2.10% | +0.60% | +1.14% | +8.71% |
2015年度 | +2.54% | +3.22% | +1.75% | +1.03% | -1.05% | -1.49% | +1.38% | +2.26% | +1.88% | -2.18% | +2.53% | +5.22% | +18.23% |
2016年度 | -2.07% | +4.80% | -1.19% | +0.94% | -0.12% | +3.86% | +3.16% | +1.35% | +1.14% | +3.41% | +1.58% | +1.34% | +19.51% |
2017年度 | -0.26% | +4.42% | +1.27% | +2.20% | +2.77% | +4.03% | +2.56% | +0.92% | +2.42% | +4.67% | -2.06% | -4.20% | +19.95% |
2018年度 | -0.71% | +0.04% | -1.86% | +0.08% | +0.72% | -0.24% | -4.11% | -2.07% | -1.42% | +1.27% | +1.16% | +2.32% | -4.89% |
2019年度 | +2.16% | -1.33% | -1.21% | -0.43% | -2.08% | -0.64% | +3.54% | +1.82% | +2.65% | -2.26% | -8.16% | -1.79% | -7.96% |
2020年度 | +6.66% | +9.61% | +5.79% | +1.96% | -0.62% | +6.26% | -1.54% | +4.37% | – | – | – | – | – |
ベイビューアセットマネジメントは年間利回りが10%程度と一般的なヘッジファンドの目標である15%を下回っています。
ただし、2015,2016,2017年度は20%弱のパフォーマンスで、コロナ相場であった2019年度を一桁台のマイナス運用と比較的安定した運用ができています。
ベイビューアセットマネジメントは投資先としてどうなのか?
- 第二種金融商品取引業の免許を取得
- コロナ相場時でも大幅なマイナス運用を回避
- 資金を日本国内のみで運用
- 最低投資額が1,000万円と投資ハードルが高い
- 平均年利がヘッジファンドとしては物足りない
- 中小型株式投資は大量の資金を運用できない
ベイビューアセットマネジメントは比較的安定した運用に加えて社会的信用力は高いですが、ヘッジファンドとしては物足りない利回りです。
ベイビューアセットマネジメントは「第二種金融商品取引業」の登録を受け金融庁の監督下で業務を実施しています。
さらに顧問弁護士は日本の四大法律事務所の1つ「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」と社会的信用力は非常に高いですね。
コロナ相場では株式を対象とした多くの投資信託やヘッジファンドが苦戦した中、一桁台のマイナス運用に抑えられています。
安定している運用である反面、平均年利は約10%とヘッジファンドの期待値からすると物足りない印象です。
コロナ相場後の運用は好調ですが、日本株自体の成長性が低いため今後の高パフォーマンスは期待できず、日本株式投資の将来性はイマイチと言えます。
また、ベイビューアセットマネジメントが投資対象とする中小型株は対象銘柄が少なく大量の資金を運用することができないという懸念もあります。
数千万円~億単位で余剰資金があるのであれば、長期投資を覚悟で検討するといったイメージになると思います。
詳細はこちらの記事にまとめていますので、ご興味ありましたらご覧ください。
エピック・パートナーズ・インベストメンツ(ヘッジファンド証券)
総合評価 | ![]() 3.9 |
---|---|
運用実績 | ![]() 年間利回り10%程度 |
社会的信用力 | ![]() 本体で投資運用業・投資助言業、販売会社で金商業 |
流動性 | ![]() 解約は月に1回(当初6ヶ月は解約不可) |
投資ハードル | ![]() 最低投資額1,000万円 |
将来性 | ![]() リスクを取らない戦略で高利回りは難しい |
エピック・パートナーズ・インベストメンツの概要
- 企業名:エピック・パートナーズ・インベストメンツ株式会社
- 運用開始:2011年
- 投資手法:日本株式を対象としたマーケット・ニュートラル戦略
- 手数料:成功報酬20%、運用報酬2.0%
- 許認可:本体で投資運用業・投資助言業、販売会社で第一種・第二種金融商品取引業
エピック・パートナーズ・インベストメンツの利回り
利回り | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | Total |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2011年 | – | – | +2.09% | +0.38% | +0.01% | +4.53% | -3.45% | -4.38% | -1.61% | +11.01% | -1.60% | +2.55% | +9.00% |
2012年 | +2.30% | +6.05% | -0.29% | +2.15% | -8.78% | +1.48% | -5.84% | -9.61% | -1.63% | +0.28% | +0.77% | -0.71% | -14.07% |
2013年 | +11.36% | +2.57% | +1.43% | +14.44% | +7.46% | +1.93% | +3.77% | +0.67% | +0.51% | +3.33% | -5.39% | +3.07% | +53.66% |
2014年 | +7.64% | +0.92% | +3.59% | +3.63% | +1.89% | +5.28% | -2.17% | +2.07% | +0.65% | -0.96% | -2.24% | -1.19% | +20.28% |
2015年 | -8.54% | -0.43% | -2.08% | +7.29% | +2.80% | +1.09% | -0.93% | +1.99% | +1.27% | +2.30% | +1.75% | +1.38% | +7.35% |
2016年 | -1.64% | +1.09% | +6.91% | +0.90% | -2.41% | -3.84% | -1.45% | +1.78% | +2.17% | +1.09% | +2.05% | -0.81% | +5.55% |
2017年 | +2.16% | -1.55% | -1.69% | -0.51% | +1.93% | +1.12% | +1.37% | +0.37% | +1.42% | +1.11% | -0.04% | +0.67% | +6.45% |
2018年 | +1.78% | -2.45% | -2.57% | -3.10% | +2.95% | -2.21% | +3.47% | +3.47% | -3.97% | -0.86% | -9.20% | -2.40% | -14.76% |
2019年 | +6.79% | +0.73% | +1.53% | -0.11% | +0.78% | +3.00% | +1.94% | -1.15% | +3.10% | +1.78% | +0.76% | +2.24% | +23.35% |
2020年 | -0.09% | +0.37% | +1.24% | +4.52% | +1.05% | +3.64% | +4.74% | +1.20% | -0.26% | -1.46% | -9.00% | +3.07% | +8.58% |
エピック・パートナーズ・インベストメンツは年間利回りが10%程度と一般的なヘッジファンドの目標である15%を下回っています。
投資戦略上、高リターンは狙わずにリスクを抑えて運用しているので、コロナ相場である2020年でもそこそこの利回りで運用できています。
エピック・パートナーズ・インベストメンツは投資先としてどうなのか?
- マイナス運用を出しにくい投資手法
- 資金を日本国内のみで運用
- 高利回りは望めない
- 運用会社と販売会社で二重手数料
- 当初6ヶ月は解約不可の縛り
- 過去に運用していたファンドが設定来マイナスで償還
エピック・パートナーズ・インベストメンツはマイナス運用を出しにくい投資手法で安定運用していますが、二重手数料や資金拘束期間が懸念ポイントです。
エピック・パートナーズはマーケット・ニュートラル戦略というどのような市場でも利益を狙うことができる投資手法を採用しています。
市場が下落局面でも利益を追求できるのでコロナ相場でも一定の利益を確保できていますね。
ただし、大きなリターンを狙うこともないので余程のイレギュラーがない限り、将来的にも高パフォーマンスは望めません。
エピック・パートナーズ・インベストメンツに投資するためには「ヘッジファンド証券」という販売会社を通す必要があります。
そのため、運用会社と販売会社で二重の手数料となっているのは残念です…。
また、解約申請は月に1回なのですが当初6ヶ月は解約申請ができない縛りがあるのでご注意ください。
投資信託のアクティブファンドに投資しているようなものと割り切れれば投資検討の余地があるかもしれません。
詳細はこちらの記事にまとめていますので、ご興味ありましたらご覧ください。
エアーズシー証券
総合評価 | ![]() 3.7 |
---|---|
運用実績 | ![]() 年間利回り15%程度 |
社会的信用力 | ![]() 金商業 |
流動性 | ![]() 解約は月に1回(38日前申請) |
投資ハードル | ![]() 最低投資額10万米ドル |
将来性 | ![]() 一方的に償還される懸念有り |
エアーズシー証券の概要
- 企業名:WMQS グローバル・マネジメント LLC
- 運用開始:2009年
- 投資手法:世界株式のロングショート戦略
- 手数料:運用報酬2.8%、申込手数料3.0%
- 許認可:第一種・第二種金融商品取引業
エアーズシー証券の利回り
利回り | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | Total |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2009年 | -6.42% | -8.69% | +7.16% | +11.00% | +11.60% | -0.82% | +9.36% | +2.46% | +4.38% | -2.11% | +3.93% | +1.71% | +36.18% |
2010年 | -4.01% | +1.88% | +4.64% | -0.40% | -9.69% | -3.28% | +7.16% | -4.38% | +9.92% | +4.62% | -2.45% | +7.40% | +9.90% |
2011年 | +2.72% | +2.76% | +0.19% | +4.72% | -1.91% | -0.02% | -3.76% | -8.63% | -9.46% | +12.70% | -1.05% | +0.61% | -3.54% |
2012年 | +6.07% | +3.68% | +1.63% | -1.40% | -8.61% | +6.63% | +2.48% | +3.26% | +3.04% | -2.25% | +3.78% | +2.29% | +21.52% |
2013年 | +6.68% | +1.25% | +2.19% | +2.16% | +1.02% | -2.66% | +6.25% | -2.45% | +5.55% | +3.14% | +2.54% | +4.44% | +34.00% |
2014年 | -1.57% | +5.06% | +0.87% | +2.93% | +2.42% | +1.86% | -1.16% | +3.10% | -1.62% | +1.44% | +3.01% | -0.18% | +17.12% |
2015年 | -0.91% | +5.80% | -1.15% | +3.50% | +0.07% | -1.80% | +3.21% | -5.93% | -1.44% | +7.09% | +0.81% | -1.23% | +7.57% |
2016年 | -6.44% | -2.04% | +9.14% | +4.73% | +2.19% | -2.48% | +5.16% | -1.33% | +2.42% | -1.43% | +2.88% | +2.05% | +14.80% |
2017年 | +1.56% | +3.77% | +2.62% | +1.30% | +0.57% | +0.03% | +4.02% | +2.20% | +3.04% | +1.94% | +3.79% | +0.88% | +28.86% |
2018年 | +7.74% | -4.46% | +0.64% | +0.15% | +2.16% | -1.29% | +3.35% | +1.60% | +0.11% | -9.78% | +0.41% | -6.46% | -6.81% |
2019年 | +9.25% | +1.87% | -0.18% | +4.81% | -6.24% | +5.67% | -1.00% | -3.58% | +2.73% | +2.75% | +2.56% | +1.90% | +21.47% |
2020年 | -1.32% | -7.87% | -12.36% | +12.44% | +4.26% | +2.84% | +4.06% | +6.55% | -3.28% | -4.07% | +10.42% | +4.38% | +13.90% |
エアーズシー証券のワールドクオント・ミレニアムファンドは年間利回りが15%程度と、一般的なヘッジファンドの目標である15%を概ね達成しています。
世界株式との相関が高いので、世界株式の市場上昇局面では高リターンで市場下落局面では低リターンとなりやすいです。
エアーズシー証券は投資先としてどうなのか?
- 市場下落時でも損失を抑えている
- 世界トップレベルのヘッジファンド出身者が運用
- 運用会社と販売会社で二重手数料
- 解約は月に1回で38日前までに申請必要
- 一方的に償還される可能性有り
エアーズシー証券のワールドクオント・ミレニアムファンドは、損失を抑えた安定した運用ができていますが、二重手数料や一方的な償還の可能性が懸念ポイントです。
エアーズシー証券は海外のヘッジファンドを専門に取り扱っている個人投資家向けの金融商品販売会社です。
本ランキングではエアーズシー証券の販売するファンドの中で個人的に一番評価している「ワールドクオント・ミレニアムファンド」を対象にしています。
ワールドクオント・ミレニアムファンドの運営会社はミレニアム・マネジメントという世界トップレベルのヘッジファンドが設立したベンチャー企業です。
通常は海外の有名ヘッジファンドに投資するのは困難ですが、上記のようにファンドの既存投資家である運用会社を利用することで投資しています。
簡単に言うと、その運用会社に相乗りさせてもらうことで個人投資家は投資しているのです。
この仕組みのデメリットは、ワールドクオント・ミレニアムファンドへの手数料以外にエアーズシー証券への手数料も二重で発生してしまうことです。
さらに、運用会社がワールドクオント・ミレニアムファンドへの投資を中止した場合、個人投資家は一方的に償還される可能性があります。
ワールドクオント・ミレニアムファンドは世界株価指数(平均10%弱)を少し上回るくらいを目標としているので、利回りは+15%前後が目安です。
市場下落時でもあまり大きなマイナスは出ないように運用していますが、投資を始めるのであれば株価が下落しているタイミングがおすすめです。
逆に株価が高騰しているタイミングで投資してしまうと、投資後に下落するリスクが高くなると思います。
エアーズシー証券で取り扱っている他のファンドなど詳細はこちらの記事にまとめていますので、ご興味ありましたらご覧ください。
ストラテジックキャピタル
総合評価 | ![]() 3.5 |
---|---|
運用実績 | ![]() 年間利回り15%程度 |
社会的信用力 | ![]() 金商業 |
流動性 | ![]() 解約は四半期に1回 |
投資ハードル | ![]() 最低投資額10万米ドル(資産条件有り) |
将来性 | ![]() 小型株に対する投資への懸念 |
ストラテジックキャピタルの概要
- 企業名:株式会社ストラテジックキャピタル
- 運用開始:2015年
- 投資手法:日本の小型株式を対象としたアクティビスト投資戦略
- 手数料:成功報酬20%、基本報酬2.0%
- 許認可:第二種金融商品取引業
ストラテジックキャピタルの利回り
利回り | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | Total |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015年 | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | +4.86% | -0.64% | +4.19% |
2016年 | -6.55% | -6.47% | +9.56% | +0.66% | -0.64% | -7.65% | +6.85% | +0.32% | -2.36% | +4.93% | +7.70% | +2.63% | +7.37% |
2017年 | +1.03% | +1.09% | +2.56% | +1.72% | +2.49% | +4.77% | +1.15% | -0.19% | +5.02% | +1.49% | -2.13% | +2.62% | +23.65% |
2018年 | -1.63% | +2.26% | -0.55% | +1.90% | +0.03% | -1.78% | +1.01% | -9.64% | +3.06% | -4.63% | +0.01% | -13.96% | -22.69% |
2019年 | +13.08% | +1.18% | +3.74% | -3.09% | +13.50% | +2.24% | +8.24% | +1.72% | +4.67% | +6.41% | +4.49% | +3.09% | +76.35% |
2020年 | -0.97% | -15.37% | -3.67% | +2.03% | +7.76% | -6.18% | -8.09% | +17.60% | +4.23% | +0.49% | +2.83% | -0.46% | -3.50% |
ストラテジックキャピタルは年間利回りが15%程度と一般的なヘッジファンドの目標である15%を概ね達成しています。
ただし、-22.69~+76.35%と振れ幅がとても大きいことと、コロナ相場後の運用に苦戦していることは懸念材料です。
ストラテジックキャピタルは投資先としてどうなのか?
- 単年で大きな利益となる可能性がある
- 日本企業の価値向上に貢献できる
- 利回りの振れ幅が大きい
- 12ヶ月以内の解約は解約手数料発生
- 運用会社と販売会社で二重手数料
- 小型株に資金が戻らない市場環境
- 十分な資産を保有している必要がある
ストラテジックキャピタルは単年で大きな利益となる可能性がある反面、コロナ相場以降は小型株への資金が戻らず苦戦しています。
投資手法はアクティビストという投資している企業に事業提案し、企業の価値を高めて投資リターンの獲得を目指す戦略です。
提案が上手くいけば大きなリターンとなる一方、提案に手間がかかるので投資できる銘柄数は限られていてリスク分散できていません。
また、全ての資金を株式の購入(ロング)に充てているので、市場下落時にはファンドもマイナス運用となります。
コロナ相場後の日経平均高騰時には、日本株を対象とするファンドは好調でしたがストラテジックキャピタルは苦戦が続いている状況です。
日経平均上昇の主因はハイテク株の高騰だったため、ストラテジックキャピタルが投資している小型株には資金が戻っていないようです。
ストラテジックキャピタルに投資する際、販売会社から「金融資産5,000万円以上&保有不動産などの資産合計が1億円以上」を確認されます。
12ヶ月以内の解約には手数料がかかることからも、大量の資金を長期間に渡って投資できる機関投資家や富裕層向けの印象です。
詳細はこちらの記事にまとめていますので、ご興味ありましたらご覧ください。
海外ヘッジファンドは投資ハードルが非常に高い!
海外のヘッジファンドに投資するためには「最低投資額」と「言語」という非常に高いハードルが存在します。
そもそもヘッジファンドの発祥はアメリカであり、現在でも運用資産額ランキングの上位はアメリカのヘッジファンドがほとんどです。
「じゃあアメリカのヘッジファンドに投資した方がいいんじゃない?」と思われますよね。
確かに近年では「海外ヘッジファンドを仲介してくれるサービス」や「海外ヘッジファンドに投資している公募投資信託」は存在します。
ただし、このような「日本から簡単に投資できる仕組み」は仲介会社手数料や投資信託手数料などの無駄なコストが発生しています。
それなら直接投資しようと考えた時に立ちはだかるのが以下のハードルです。
ハードル①最低出資額が1億円を超える
海外ヘッジファンドで利回りが高く運用資産額も多い有名なファンドは最低出資額が1億円を超えるのが一般的です。
原則、機関投資家か一部の富裕層向けであり、規模が大きければ大きいほど一般の個人投資家は相手にしていません。
数百万円~数千万円くらいの個人運用では、投資を検討することすらできません。
ハードル②英語力が必須
とはいえ、アメリカにも最低投資額が低くて利回りが良いヘッジファンドは存在するかもしれません。
しかし、そんなヘッジファンドを探すためには高い英語力が求められます。
ネットの検索で見つかればまだいいですが、そうでなければ現地の投資家とコミュニケーションを取る必要も出てくるでしょう。
また、口座の開設や契約など英語でやりとりが行われますし、その国の税制を理解することも大切です。
日本国内ヘッジファンドランキングのまとめ
- ヘッジファンドを選ぶときは「運用実績」「社会的信用力」「流動性」「投資ハードル」「将来性」を確認
- 海外ヘッジファンドは投資ハードルが非常に高い
日本国内のおすすめヘッジファンドについてまとめましたが、いかがでしたでしょうか?
ヘッジファンドと一口に言っても玉石混交で優秀なファンドからイマイチなファンドまで様々です。
ヘッジファンドを選ぶときは「運用実績」「社会的信用力」「流動性」「投資ハードル」「将来性」をしっかりと確認しましょう。
このポイントを押さえていれば、投資先を大きく外してしまうことは避けられると思います。
私は数多くのヘッジファンドを調査してきましたが、私も全ての日本国内ヘッジファンドを把握しているわけではありません。
より良いファンドを発見できたら、このランキングも随時更新していきたいと思っています。