ヘッジファンドの決算期っていつなの?
ヘッジファンドに投資したいけど、ファンドの決算期を気にするべき?
ヘッジファンドの決算期は株式市場にどんな影響があるの?
そんな思いから、こちらの記事に辿り着いたのではないでしょうか?
ヘッジファンドとは、あらゆる投資手法を試みてどんな市場環境であっても利益を出すことを目的とした絶対収益追求型のファンドです。
ヘッジファンドの決算期を気にするのは「ヘッジファンド投資を(検討)している人」や「株式投資をしている人」だと思います。
本記事ではヘッジファンドの決算期がヘッジファンド投資や株式投資にどのような影響があるのか徹底解説します!
※そもそもヘッジファンドって何?という場合は、こちらの記事で簡単にヘッジファンドの概要を解説していますのでご参考にしてください。

ヘッジファンドの決算期とは?
ヘッジファンドの決算期と一口に言っても、2つの意味があります。
それは「ヘッジファンド会社としての決算期」と「ヘッジファンドが運用する個別ファンドの決算期」です。
メダリオンファンドを運用している史上最高のヘッジファンド「ルネッサンステクノロジーズ」を例に出すと、以下のようになります。
ヘッジファンドが運用する個別ファンドの決算期 → メダリオンファンドの決算期
ヘッジファンド会社としての決算期と運用する個別ファンドの決算期が一致している場合もありますが、別々の意味合いだということは理解しておきましょう。
ヘッジファンド会社としての決算期
ヘッジファンドは、1月~12月を事業年度として12月を決算期とする会社が多いです。
その理由はヘッジファンドのほとんどが欧米籍の企業であり、欧米の大企業や金融機関の多くが決算期を12月にしているからです。
日本では官庁会計が4月~3月を会計期間としていることに倣って、3月を決算期としているヘッジファンドも存在しています。
会社としての決算は、財務状態や経営成績の把握のためだけでなく納税額を決定するためにも絶対に必要となります。
ただし、ほとんどのヘッジファンドは上場しておらず他企業との取引もないので、株主や取引先に経営状態を報告するという意味合いは薄いです。
ヘッジファンドが運用する個別ファンドの決算期
ヘッジファンドが運用する個別ファンドの決算期も企業と同様に、1月~12月を事業年度として12月を決算期とするファンドが多いです。
これはヘッジファンドの主な顧客である欧米の機関投資家が12月を決算期としていることに合わせているのだと思われます。
とは言っても、複数のファンドを運用するヘッジファンドにおいて、個別ファンドの決算期がそれぞれバラバラなこともあるので一概には言えません。
個別ファンドの決算は投資家への報告という意味合いが強く、業界関係者や投資家の注目度は非常に高くなっています。
ヘッジファンドに解約を申請する場合は決算期に注意
ヘッジファンド投資を(検討)している場合は、ファンドの解約申請に決算期が関係することを理解しておきましょう。
一般的にヘッジファンドを解約できるタイミングは、四半期に1回、半年に1回など制限されていることが多いです。
例えば12月が決算期のヘッジファンドであれば、3月、6月、9月、12月の末日が解約日と決められています。
そしてここで覚えておきたいのが、ヘッジファンドへの解約申請は解約日の45日前までに行うとする「45日ルール」の存在です。
つまり、12月末に解約したいと考えているのであれば、ヘッジファンドに11月中旬までには解約申請を行う必要があります。
「なんで解約申請から解約までにそんなに時間がかかるの?」と思われますよね。
ヘッジファンドは私募で少数の大口の投資家から資金を募っているので、1人の解約がファンド全体に与える影響が大きいのです。
解約申請を受けたヘッジファンドは顧客に資産を返却するために、運用しているポジションを決済して現金を準備しなければなりません。
ヘッジファンドは45日の間で、ファンド全体の投資ポジションへの影響を最小限に抑えるかたちで現金化を行います。
ヘッジファンドの決算期が株式市場に与える影響は?
一方で、ヘッジファンドの決算期が株式市場に与える影響はどの程度なのでしょうか?
結論から書くと、ヘッジファンドの決算期が株式市場に大きな影響を与えることはあまりありません。
確かにヘッジファンドが顧客の解約申請を受けて現金を準備するために、ポジションを決済するのは事実です。
それでも影響が少ないと言えるのは何故なのでしょうか。
ヘッジファンドが株式に投資している場合「この株価になったら株を売却する(買い戻す)」などの出口戦略を決めています。
この戦略で決めた「売買タイミング」と「解約日」や「売買量」と「解約で必要となる現金」が一致することは、まずあり得ません。
つまり、将来の利益を考えると本来は売買したくないけれど現金を準備するために仕方なく一部のポジションを決済するのです。
ヘッジファンドの決算期が株式市場に大きな影響を与えないのは、ヘッジファンド自身が投資しているポジションへの影響を最小限に抑えようとするからです。
しかし、米国には「Sell in May(5月に売れ)」や「ハロウィン効果」などの言葉があり、実際に5月と11月は株価が下がることが多いようです。
これはアノマリー(理論的根拠があるわけではないが、よく当たる相場での経験則)であって、ヘッジファンドは関係ありません。
ヘッジファンドの決算期のまとめ
- ヘッジファンドの決算期は12月が多い
- ヘッジファンドの解約申請は解約日の45日前まで
- ヘッジファンドの決算期は市場に大きな影響を与えない
ヘッジファンドの決算期は、1月~12月を事業年度として12月を決算月とするファンドが多いです。
「ヘッジファンド会社としての決算期」と「ヘッジファンドが運用する個別ファンドの決算期」がありますが、後者の方が重要な意味を持ちます。
ヘッジファンド投資を(検討)している人は、解約日(=決算日)の45日前までに解約申請が必要なことを認識しておきましょう。
株式投資をしている人にとっては、ヘッジファンドの決算期が市場に与える影響を考える必要はあまりないと思います。
ヘッジファンドが運用する個別ファンドの利回りなど「決算内容」は、個人投資家にとって重要な内容となります。
※優秀なヘッジファンドを知りたい場合は、ヘッジファンドのおすすめランキング記事をご参考にしてください。